いままでの医薬分業のシステムでは、病院と院外薬局は公道を挟むか、もしくはフェンス等で区切る必要があり、同じ建物であれば階層を分ける必要があり、入り口を分ける必要がありました。
要するにめんどくさいわけです。
病院でもらった院外処方せんを院外薬局で薬をもらうためには様々な障害を経てたどり着かなければなりませんでした。
とにかくめんどくさいし時間がかかる。
これが規制緩和により、同じ敷地内でも入り口が分かれていれば良いということになりました。
これは足腰の弱いひとや、バギーや車いすでの移動の人たちに取って大きな障害の排除になります。
そこで薬局側に大事になってきたのが、立地です。
より良い立地(近い)に薬局を作ることが売上に直結します。
いまの薬剤師に集客能力はありません。
薬を貰う人は近くて早いところで薬をもらおうとします。
それは今のところどうにもならないことです。
そこで目をつけられたのが、院内にあるコンビニです。
コンビニの多くが物流の関係上病院建物外側の壁に隣接していることが多いです。
そのため、いままでのコンビニは入り口を病院内に設けることが多かったですが、外側につけることで規制緩和後の院外薬局としての体裁を保つことができます。
大手コンビニといえば
セブン、ファミマ、ローソンです。
実はそれらは大手商社の子会社もしくは資本関係にあります。
セブン→三井物産
ファミマ→伊藤忠
ローソン→三菱商事
コンビニと商社の関係は周知の事実ですのでこの辺にして
コンビニと薬局の関係を見ていきます。
薬局を大きく分けるとドラッグストア系列と調剤薬局系列に分かれます。
資本の大きいのはドラッグストア系列です。
ですので調剤薬局系列は集客力が劣ってしまっているのが現実です。
しかし、ここ数年の流れですがそうした薬局がコンビニと併設するケースが増えてきました。
セブン→アインHD
ファミマ→ファーマライズ
ローソン→クオール
こうした動きはウェルシア(イオン系列)、ツルハ、コスモス、マツキヨココカラファインといった大手ドラッグストア系列に負けないための集客力を得るための調剤薬局系列の生き残りをかけた作戦というわけです。
住友商事はこの流れに遅れを取ったのでしょうか?
そんな事はありません。
トモズ薬局を保有しています。
この歴史は他の商社よりも古いです。
1993年の住商リテイルストアーズ株式会社からはじまります。
また最近薬樹薬局の完全子会社化をしました。
このように商社は薬局との関わりを持っているのですが、ここ最近大きな転機がありました。
電子処方箋とオンライン服薬指導です。
いままでの調剤システムは、病院で発行された院外処方箋の原本がないと調剤・薬剤交付ができないというものであった。
おそらく使用したことがある人はいるかもしれないが、病院からFAXを送っておくと薬ができているなんてことがあったかもしれないが、薬局を訪れたときに処方箋の原本がないと薬を渡すことができなかったのがいままでの制度。
しかし、コロナによって制度が変わり処方箋の原本は最終的に必要なのだが、
患者が家でオンライン診療を受ける、病院は処方箋を送る(FAX&原本送付)、薬局はFAXで調剤し、薬を宅配で送る。その後原本を保管。
という流れが可能になった。
要するに薬局にいかなくて済むようになったのです。
ここで一気に強気に出たのがAmazonです。
いままでの薬局で薬が出来上がるまでに買い物をして時間をつぶす(無駄な買い物を促す)システムが破綻することになるのです。
Amazonは宅配物流に関してはノウハウを持っています。
ユーザーもすぐに必要にならない定期処方であれば待ち時間がないのに越したことはありません。
話は変わりますが、薬をもらうにはどうしたらいいでしょうか。
病院や薬局から受け取ることができます。
ではそうした医療機関はどこから薬を手にいれているでしょうか?
各製薬メーカー買っていたらとても大変です。
ですので卸業者が入ります。
とても日本チックなシステムですが、コストが嵩みますが、メリットが大きいのです。
その薬剤卸は大手4社で8割近い売上を得ていると言われています。
メディパル
アルフレッサ
東邦HD
よく4社で談合して制裁くらってますが、何やってもこの牙城が崩れないくらい正直ないと困る会社になってしまっています。
じゃあコイツラは商社と関係あるのか?ってことですけれどあったりなかったりするわけです。
メディパル→三菱商事
東邦HD→伊藤忠
まだまだ関係が複雑化していきそうですけれどこの辺で。